ノートの取り方

 塾の本棚で「試験に勝つノート術」(三杉孝一郎著)という本を見つけました。さりげなく生徒の目に付くところへ出してみましたが、残念ながら誰も手に取ってはくれないようです。
少し内容を紹介します。著者は元高校の先生です。前書きに、「自分の教え子からの相談の多くが『勉強のしかたがわからない』『試験の成績が伸び悩んでいるがどうしたらよいか』であり、その原因のほとんどが「ノートの取り方」にあるということに気がついた」とありました。また、成績とノートの取り方の相関関係の調査結果が出ていました。
 確かに、中学生も2年生以上になると、学校の授業ノートや自分の勉強用ノート、問題集を解くためのノートなどと種類を変えて持っている生徒がいます。概してそういう生徒は成績も良いようです。一方でノートも一冊だけで何もかも済ませてしまうような乱暴な使い方をしている生徒は、成績もぱっとしない場合が多いのは確かです。
 本にはノートの取り方のさまざまな工夫が紹介されていました。例をあげると「ノートに線を一本引くだけでも使いやすくなる」「見出しは問い、内容は答えと思って書くとうまくまとめられる」「数字をきれいに書くだけで、計算ミスは防げる」「自分なりの略号を工夫することで、大幅な時間の節約ができる」など、勉強に役立つノートの取り方がわかりやすい図解と共に載っていました。
 ノート作りの最大のメリットは、完成したノートの効用以上に「整理」という作業を通して記憶力・理解力を高めるということにあるようです。単なるメモ書きのようなノート、板書を必死で写しただけのノートは見直すときに苦労します。新学期が始まったばかりです。ノートの取り方を工夫してみましょう。

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